スキー場の無人化運営の可能性 ~駐車場~

1.はじめに

 我が国では少子高齢化社会が現在も進行しており、それに伴う労働者人口・就業者数の減少は加速度的に進行している。今後もこの傾向は長期に続くとされている。

 人手不足は様々な業界で深刻な問題となっており、労働者の確保には担い手の確保に尽力を尽くす一方、無人化省力化が必須であるといえる。

「厚生労働省ホームページより」


2.駐車場オペレーションの無人化

 スキー場の駐車場における有人業務は以下挙げられる。これら業務における無人化の可能性を考察する。

  ・料金徴収業務

  ・除雪業務

  ・誘導業務


(1)料金徴収業務

 料金徴収業務における無人化の手法は以下挙げられる

  ・駐車場料金精算システム

  ・ETCによる自動徴収

  ・前払いシステムの導入


1)駐車場料金精算システム

 一般的な料金精算システムである。料金徴収の無人化が可能となる。近年は電子マネーによる支払いも可能となっている。


(課題)→ 積雪による料金徴収部の調整が容易でない。

    → 設備投資に高額な費用を要する。

    → ゲストの支払い作業による渋滞が発生する。

「パブリックシステム株式会社 ホームページより」


2)ETCによる自動徴収

 高速道路道路で利用されているETCを駐車場料金徴収に活用したものであり、ゲストはドア開閉・下車することなく支払うことが可能である。このシステムは近年大型スーパーに試験導入されており、技術面は発展途上である。今後に期待したい。


(課題)→ ETCを搭載していない車がある。

    → 設備投資に高額な費用を要する。

    → 技術面が現時点で発展途上である。

「アマノ株式会社 ホームページ(アマノが想う未来の駐車場)より」


3)前払いシステムの導入

 郊外で導入されている駐車場料金を事前に支払うシステムである。スキー場では車を停車させた後、駐車場内料金徴収所もしくはレストハウス等で料金を支払い、チケットを車前方の窓に提示するシステムである。


(課題)→ 積雪で車内のチケットが確認できなくなる。

    → ゲストに支払いに対する負担を強いることとなる。

    → 未払いを管理する人員又はシステムを要する。

「デイパーク株式会社 ホームページより」


4)現時点で考えられる最適な手法

 これら考察より現時点で考えられる最適な手法は「1)駐車場料金精算システム」が挙げられる。支払いにより入場を許可するシステムが確実であると考える。技術の発展により将来的には「2)ETCによる自動徴収」も有望であるといえる。

 これらにコインパーク運営会社に駐車場運営を委託する等の手法を導入すれば、より人員の削減につながるといえる。


(2)除雪業務

 除雪業務における無人化の手法は以下挙げられる

  ・ロードヒーティングシステムの導入

  ・ICT建機の導入

  ・立体駐車場の導入


1)ロードヒーティングシステムの導入

 寒冷地の道路や鉄道等の公共施設で導入されている、電熱線や温水の循環により融雪するシステムである。


(課題)→ 設置、維持管理に膨大なコストがかかる。

    → 豪雪に適応しない可能性がある。

「北日本電設株式会社 ホームページより」


2)ICT建機の導入

 建設機械ではAIやIotによる自動化・半自動が進んでおり、現在では遠隔操作やICT建機による技術サポートによる操作の簡易化が進んでいる。将来は全自動化を目標にICT建機の技術開発が進められている。技術としては発展途上であるため、今後に期待したい。


(課題)→ 設置、維持管理に膨大なコストがかかる。

    → 技術面が現時点で発展途上である。

「住友建機株式会社 ホームページより」


3)立体駐車場の導入

 川場スキー場やウィングヒルズ白鳥リゾートで導入事例があり、川場スキー場はセンターハウスとの一体型構造が採用されている。駐車場からセンターハウスまでがエレベータでの移動である等、ゲストは天候を気にせず準備・移動ができ、利便性が非常に高い。


(課題)→ 設置、維持管理に膨大なコストがかかる。

    → 駐車可能台数が限られる。

「川場スキー場 ホームページより」


4)現時点で考えられる最適な手法

 これら考察より現時点で考えられる最適な手法は「2)ICT建機の導入」が挙げられる。技術面は発展途上であるが、災害現場における無人重機を遠隔操作する事による土砂の除去、AIによる重機の操作簡易化に等の導入事例があり、今後の主流になりつつある。

 ICT建機は非常に高価であるが、今後の技術発展による費用の安価化、リース等で費用面を抑える工夫により、導入はより現実的となる。


(3)誘導業務

 誘導業務における無人化の手法は以下挙げられる。

  ・駐車場自動誘導システムの導入

  ・スマートフォンによる情報提供

  ・パーキングロボットの導入


1)駐車場自動誘導システムの導入

 誘導灯を設置し、駐車場の満空情報を表示させるシステムである。ショッピングセンターやコインパーキング等での導入事例がある。

「株式会社日本アシスト管理 ホームページより」


(課題)→ 設置、維持管理に膨大なコストがかかる。

    → アプリを活用できない人に適していない。


2)スマートフォンによる情報提供

 アプリやホームページによる駐車場利用状況の情報提供を行う手法である。


(課題)→ 設置、維持管理に膨大なコストがかかる。

    → 積雪で誘導灯が視認できなくなる。


3)パーキングロボットの導入

 パーキングロボットを活用し、所定の位置に止められた自動車をロボットが運搬し、自動的に空きスペースに駐車させる手法である。


(課題)→ 設置、維持管理に膨大なコストがかかる。

    → 積雪による影響が懸念される。

    → 技術面が現時点で発展途上である。

「株式会社日本アシスト管理 ホームページより」


4)現時点で考えられる最適な手法

 これら考察より現時点で考えられる最適な手法は「2)スマートフォンによる情報提供」が挙げられる。アプリの周知に工夫する必要があるが、最も現実的な手法であるといえる。

Skicloud

スキー事業者や一般のスキーヤーを中心とした目線で情報発信していきたいと考えております。

0コメント

  • 1000 / 1000